相変わらずな僕ら

 

 

「うわっぷ」
 天高々に晴れわたる日。
「〜〜〜〜〜!」
 自分の顔にかかったシャボン水。未登録[1]はチョッパーの背中に顔を擦りつけた。
「ヤ、ヤメロー!くすぐったいー!」
「いいでしょ。今からチョッパー水浴びなんだからっ」
 そう言い、ゴシゴシとシャボン水を拭う。まだちょっとペとペとしている顔を上げ、甲板を走る二人をキッと睨んだ。
「ルフィ!ウソップ!」
 あんたたちいい加減にしなさいよね!そう叫ぶ声は、部屋で海図を描くナミに、ラウンジで本を読むロビンにも聞こえていた。
「おーい未登録
「んー?」
 盥にぬるま湯を張るサンジに呼ばれ、まだしかめっ面のままの顔を向ける。
「風呂から石けん持ってこい」
「イェッサ」
 とても暖かい日なので、チョッパーのお洗濯です。いえいえ、チョッパーの水浴びをお手伝い。普段はお風呂に入るけど、こんな天気のいい日は昼間に外で。その方が早く乾くのです。だってチョッパー、モコモコなんだもん。で、石けんを取りに、未登録[1]はバスルームへ。
「なー、サンジー」
「ん?」
「ゾロはどこ行ったんだ?」
「あァ?船尾で寝てんじゃねェのか?」
「ふーん」
 その意味ありげな言葉に疑問符を浮かべ、どうかしたのかとサンジが聞けばチョッパーは言う。だって未登録が、そこまで言って慌てたように口を閉じた。
未登録が?」
「な、なんでもない」
「隠し事するとためになんねーぞ」
「なんでもないんだ、本当に」
「そうか?」
「うん」
 少し訝しげにしたが、まぁいいかとサンジはチョッパーの帽子を取った。とそこに、差し出されたのは石けん。
「ん」
「あ?」
 しかし、石けん持ってきたのは未登録[1]ではなく、ゾロだった。差し出す手からも未登録[1]ではないとわかっていたが、突然目の前に現れた男にサンジは疑問符を浮かべると同時に眉を顰める。
「なんだてめェ」
未登録に頼まれたんだよ。渡せって」
未登録は?」
「向こうでウソップとルフィに水ぶっかけてた。なにやってんだ?」
「チョッパーの水浴び。暇ならてめェも手伝え」
 サンジのその言葉に、なんでおれがと腕を組む。
「ちったァ役に立ちやがれ」
 そう言われると今まで寝てた手前、なにも言い返せない。舌打ちをしながらもその場に座り込んだ。
「それに、おまえのがチョッパー洗うの慣れてるしな」
「ナンだそりゃ」
「てめェとウソップがいつも風呂入れてんだろ」
「おいサンジー。おれのこと子どもみたいに言うなよー」
「ガキみてぇなもんじゃねーか」
「違ェねーな」
 一笑するゾロとサンジを膨れっ面で見ると、チョッパーは渋々とタライに入る。しかしその渋顔も、サンジの出すホースの水とゾロのスポンジに少しずつ和らいでいった。


 一方、楽しそうにその家族像を見つめる少女が。
「穏やかですねー」
 そして少女に掴まれたまま、みかんを食べる少年。
「なァ、本当にナミが食っていいって言ったのか?」
 二人の前、鉛筆で焦点を合わせ、彼らを見つめる少年。
「なァおい未登録、なんか意味あんのか?これ」
 いいから黙って描いてよ、勝手に盗んだナミのみかんをルフィに与え、ほくそ笑む未登録[1]。ルフィがあの家族像を邪魔しないようにと考えた末の結果。後に振るわれる、航海士の怒りの鉄拳を考えもしないで。

 

 


家族同盟参加が嬉しかったの。
03/01/30 ×