お昼過ぎから降っていた雨が空気を綺麗にしたのか。
そう思うほどに今の空気は澄んでいて、遠くまで透き通ってる。





  夕 暮 れ の





メインマストに背凭れたチョッパーの視線の先には水平線が映っている。


昼過ぎに降り出したらしい雨はいつの間にか止んでいて、ウソップと一緒に新しい武器の開発に勤しんでいたチョッパーは先ほど男部屋から甲板に上がってきたばかりだった。
甲板を叩きつける雨の音は、さっきまでのチョッパーの位置からすると、天井を容赦なく叩きつける雨の音と意味合いを変える。
変えるのだが、そんなもの特に気にも留めずウソップとのそれに夢中だった。

ラウンジの声、階段を上がる音、それと風に乗り漂う美味しそうな匂い。
ご飯時が近づくにつれて、この船のクルーは騒がしくなる。
それもこれも、船長があんな性格だからなんだろうとチョッパーは思う。




今近づいてくる音の主の匂いは、漂う匂いともうひとつ。
とてもとても甘くて柔らかい香りを持っていた。


「チョッパー」

自分を呼ぶ、どこか幼い声。


未登録!」

人のことをどうこう言えるような自分ではなかったなと笑う。
チョッパーも未登録[1]も同い年で、いろいろなことが同じ目線。


「もうディナーか?」
「そろそろディナーだよ」

サンジの言い方を真似して二人でクスクスと笑い合えば、未登録[1]はチョッパーの隣にトスッと腰を下ろした。

未登録[1]から漂う香りは海の匂いとご飯の匂い、それと甘い甘い匂い。
チョッパーはその香りが大好きで、未登録[1]が近くにくると自然と顔が綻ぶ。
サンジも似たような匂いだし、もちろん他のクルーのことも大好きなのだが。
年が同じだというだけでこんなにも親近感だ、嬉しくなる。


「今日なっ、ウソップと新しい武器開発したんだ」
「おぉー。だからウソップが重大発表がなんとかって言ってたんだ?」
「すっげーんだ。ガッサクだ」
「合作かー。あ、今日の食後のデザートも合作だよ」
「ガッサクなのか?」
「ロビンお姉ちゃんとあたしの合作」
「そーなのか?どんなんだ?」
「内緒内緒。お楽しみ」
「ガッサクかー。お楽しみかー」

エッエッエッと口元に蹄を当ててチョッパーが嬉しそうに笑えば、未登録[1]の表情もそれはそれは嬉しそうなもの。

眼前迫る夕暮れを目にしながら、空気が綺麗だねと未登録[1]は言った。
未登録が来る少し前に同じようなことを思ってたなと、チョッパーはこれまた嬉しそうに笑う。



「夕焼けって綺麗だな」
「そうだね。青、水色、ピンク、橙」


上方から一つずつ色を確かめて。


「白」
「キラキラしてるぞ」
「橙」

海面の色も白や橙が混ざって、自然独特の色を持つ。
いろんな色があるんだなーと、漂う香りの中で二人で笑った。



同じ目線で笑える仲間
DATE / Uncertain ×