ドント DO NOT

 

 

さーて困った、どーしたあたし。ありえないことが起こっちゃったかもしれません。未練?いや、始まってなかったのに未練も何もないでしょう。始まってなかったのはあたしのせいだし。始まらなかったのに。ヤバイ、ヤバイ。やばいよコレは。
断って正解だと友達に言われたもんだから。あの人、本命いるんだよって言われてたし。いや、てゆーかむしろちょっとしか話したことないし。
あたし、。湘北高校の一年生です。
二ヶ月前、生まれてはじめての『告白』という洗礼を受けました。相手は二年生。学食で少し話したことがあるくらいの相手。

宮城リョータ。

「ゴメンなさい」

たったそれだけ。だって、宮城さんのこと知らないし。



そして今、ありえない心の変化が。
あたし、宮城さんに惚れかけているようなんです。

「流川」
「……
バスケ部の流川とは、中学一緒でクラスも一緒。その流川に声をかけたのはバスケ部の練習が終わったようなので。
「彩ちゃん先輩は?」
「……休み」
「……えっ」
うそ、マジで?は流川に詰め寄る。折角一緒に帰ろうと思ったのに。

まぁしょうがないか。

「つまんないのー」
「つまんないのー」

同じ言葉を、自分の後ろで繰り返したのは、

「……リョータ先輩」

最近どうも気になってしまう人。

「彩ちゃんいないとつまんないよなー?」
「あー‥、ですねぇ」










何でこうなったかは知らない。
暗くなった夜道。隣を歩くのは宮城。
彩ちゃんいないからオレと一緒に帰ろうか、ちゃん。そう言われて大人しく従った。きっと、暗いから送ってくれるんだろうな。うーん、優しい男だ。

最近、バスケ部を見るようになった。
少し気になったんだ。あの人、どんな人なんだろうって。バスケしてる姿が凄くカッコイイことがわかって。本命っていうのが、彩子先輩だってのがわかった。軽くあしらわれてる姿を見て面白くて。応援したくなってたり、何か不憫で。

で、

気づいたら目で追ってて。いつも見るようになってて。
……惚れかけている自分がいます。


ちゃん」
「え、ハイっ」
「寒くねぇ?」
「あー、大丈夫です」
「……そ」

少し顔が赤いのは寒いから?

それとも。


もし、あなたがまだ、二ヶ月前の気持ちを持っていたのなら。

「せ、先輩」
「ん?」
「えーと……、先輩、まだ……」

あの時の想いは変わらないですか?

「あの……」

で?もし変わらないと言ったら?
言ったとしたらあたしはどうするの?あたしもあなたを好きになりましたって?


………アレ。


何かソレって変。違う、よね。


「やっぱ、……何でもないです」
「何だって」
「や、いーです。たぶん間違えた」
「ははっ、間違えた?面白いねー。ちゃん」
「あはは……」
ちょっと違う。ちょっと微妙なカンジ。何?変。違和感。もしあたしとリョータ先輩がつき合ったとしたら?ホラ、変。何が変かって。

……ねぇ?何がなんだろ。





その答えに気づいたのは、次の日の放課後。










「アヤちゃ〜ん!」
「うるっさい!リョータ」
「めげねぇなぁ、宮城の野郎」
「リョーチン、見込みねぇぞ」

あ、そうか。う〜ん、そうか。


宮城リョータ。
君は彩子先輩を追っかけてた方が目を引く。あたしの目を引く。

………バカみたい。

『彩子先輩追っかけるあなたが好きみたいです』

なんて。本当、バカみたい。


でもま、いっか。

頑張れよ、宮城リョータ。

 

 


何でリョータは本命がいるのに、別の子に告るのでしょう。
03/10/26  ×