エンドロールファンク

 

 

やっべ、苦しい。

「っ、く……ふ…」
涙は枯れることを知らない。
「んぅ……っ、っ、ひぅっ‥」
嗚咽が止まらない。
嫌ね、こんな風に泣きたいわけじゃなかった。こんな理由で泣くつもりなんてなかったのよ。だったら初めから、あんたと恋愛しようとは思わない。
寿、寿、あんたも今、あたしと同じ想いをしてる?泣いてる?泣かなくても、ねぇ、同じ想いを感じていてはくれない?
無理な話なのかしら。別れようと言ったのはあんただもんね。

何でそれを承諾したの。
泣くくらいなら嫌だって、一緒にいたいって、あたしも言えばよかったのに。


「っ、……ぅぃ、」
涙を拭いながら、鏡を見た。あぁ、酷い顔。そんな風に思っても、溢れる涙は止まらない。良かった、誰もいなくて。誰も帰ってなくて。こんな風に泣いてたら、お母さんビックリするでしょう?姉だってビックリするよね。お父さんは見ない振りするだろうけど、絶対心配しちゃうよね。よかった、誰にも見られなくて。

嗚咽を漏らし、立ち上がった瞬間、それは鞄の中で小さく音を鳴らす。
「っ、」
バイブ音と共に、小さいけど着メロが。震える手で取り出した携帯の液晶にはお馴染みの名前。

『木暮公延』

あぁ、まったく、心配性だ。

ピッ、

「‥っ、……はい?」
電話の向こうからはあいつの親友の声が。申し訳なさそうな、それでいて少し焦った声が耳に届いた。
「うん、‥っ、え?平気、だよ。いや、ね?もう……さ、」
あたしと寿が喧嘩すると、困った顔で真ん中に立ってる。そんな君の姿が、今も目に浮かぶよ。
でもね、もう違うんだ。もう木暮君が心配することも、とばっちり受けることもないよ。そうなってしまったの。あたしとあいつの仲は、そうなってしまったから。
「……ううん。ありがと、平気だから、うん……いいんだって‥」
ごめんね、今日はもう切りたい、そう告げると、彼も謝って電話を切った。

謝らないで、木暮君が悪いわけじゃないでしょう?それも言えないほど、あたしは酷く沈んでいた。そのことに気づいたのは電話を切った後で、あぁ、明日、あたしも彼に謝らないと。
そんで、さ、寿が悪いわけでもないんだ。そう言ったら、あたしが悪いわけでもないって誰か言うでしょ?どっちが悪いわけでもない、そんな恋愛の終わり。

一つの恋愛の終わり。

あなたとあたしの関係は終わってしまったけど、恋し恋され、愛し愛される、そんな関係は終わってしまったけれど。思っても良いでしょうか。
これは、次の出会いへのステップだと。次の出会いのための、別れなんだと。
今日だけでも、そう思ってもいいでしょうか。

あなたを好きになったことも、それがゼロに戻ってしまったそのことも。
次の恋をするために必要な通過点だったと。
この別れにも意味はあるのだと、そう思っていいでしょうか。

 

 


誰の何の話なんですかこれー。
04/01/26  ×