そして僕は答えを知るのだ

 

 

オレには好きな人がいる。


先輩」
「あれ?リョーマ?」
「今帰り?」
「そーだけど。何であんたいるのよ」
部活とっくに終わったはずでしょ?そう言った彼女がオレの好きな。一コ年上、野球部のマネージャ。
「先輩待ってました」
「いや、待ってなくていいし」
「しょーがないじゃないですか」

言ったでしょう。

「オレ、答え聞いてないっすから」

あんたが好きだと、昨日の帰りに言ったでしょう。

「言ったじゃない」

聞きましたけど、

「つき合えないって」

その言葉は。

「そうじゃなくて」

オレが知りたいのは、

「何でオレじゃダメなのかってことを」





知らないけど、あんたのことが気になって。バカみたいに一生懸命野球部員の世話する姿をよく見た。興味を引かれたその想いはあんたと話をするようになって、今まで知らなかった想いの形に変わっていった。
打ち明けた想いを真剣に考えてくれる仕草は嬉しくて、ゴメンと言われた時も、あぁそうかと。この人はオレが持っていた想いと同じものを持っていたわけじゃない、そう納得したはずだった。
だけどどうして、オレじゃダメなのか。
それが知りたいのは、オレがあんたに本気だったからだと思う。



「年下だからっすか?」
「違うよ」
「つき合ってる人、いないっすよね?」
「うん。いないね」
「嫌いですか?」
「そーでもないけど、」
そーでもないんだけどね、小さく笑って俯く顔、あぁ、断られてもまだオレは諦めてない。その表情を自分のものにしたいって考えてる。

「リョーマは好きだよ。カッコいいじゃない」
それは悲しそうな笑顔で。
「生意気だけど、それに見合ってるし」
そんな悲しそうな笑顔でも、オレはそう考えてる。

「でもね、」

答えを聞きたがったのはオレだ。
あんたに悲しそうな笑顔をさせてでも答えを導いたのはオレのなのに、

「でも、リョーマへの好きと、別の感じで好きな人、いるの」

オレが持ってるあんたへの想いは、あんたが持ってるオレへの想いとは別物なんだと、それはもうわかってたんだ。
だからその言葉の意味を理解するのにも時間はかからない。


「……ふうん……」

導いたのはオレ、誰も悪くない。


「一緒に、……帰る?」
「………いえ…」
「……うん。……また、ね。あと、ありがとう」
「いえ」
何とも言い難い表情を見せ、彼女は背を向けた。


知りたい答えだった。どうしても、その答えを知りたかった。
だけど今は、それを教えてくれたあんたが少し憎い。

あぁ、オレもまだまだだね。

どこかで汗を流してから、家に帰ろう。

 

 


ちょっと屈折した心理。恋愛ってそんなもん。
04/01/26  ×