そして誤解は波紋のように

 

 

嗚呼、勘違ひ?

視点−

最近、変なことを聞きました。ロビンさんから。
それはある晴れた日。わたしの目は愛しい人を追っていました。未だに想いは告げていないのですが。サンジくんとゾロが珍しく喧嘩腰ではなく話をしてて。あー、たまにはこんなこともあるんだな、とか思ってたのです。
特に深くは考えないでロビンさんに言ってみたところ。彼女は言ったのです。

『女海賊って少ないのよね。船の上ではよくあることよ』

……女海賊が少ない?
……船の上ではよくある?
何が?何がですか?

『男同士っていうのも多いのよ』

………ショック。嘘でしょう?サンジくん。



−サンジ視点−

最近、辛いことがありました。クソマリモが悪い。
それはある晴れた日。オレの勘違いでなければ愛しい人の目が。オレを追っていたのです。未だに想いを告げてはいませんが。だからオレは気分ヨロシク、剣士に話しかけたんだ。
何を言われようが今のオレには痛くもない。寛容な心持ちだった。

『あァ?腕痛ェんだよ。腕枕なんざするもんじゃねぇな』

……腕が痛い?……腕枕?
何が?何の話だ?

『昼寝の時にがな』

………ショック。嘘だろう?ちゃん。










「……ちゃん」
またゾロを見てる。サンジはの視線を追ってため息を。
そしてその視界に入ろうとゾロに近づいた。

「……サンジ君」
またゾロと一緒に居る。はサンジの行動を追ってため息を。
そして2人を見ないように顔を背けた。


その様子を見て笑いを堪えたのはロビン。
そんなロビンにナミが言う。悪趣味よ。腕枕させたのもあなたでしょう?そう言われればロビンも言った。退屈なのよ。何ともお姉様らしい悪戯である。
「それと……もどかしいからかしらね」
「まぁ、……それは言えるわね」
「でしょう?」
互いを想っているはずの二人は一向に距離を縮めない。ちょっとした火種をくれてやれば、それは発火するだろうと。ロビンの考えにフンフンと頷きながら。手元にあるミカンの皮をむくナミ。
「大火事にならなきゃいいけど。はい、ルフィ」
「おー!ありがとな、ナミ」
自分で剥きなさいよと言うナミを見て、ルフィはしししっと笑顔を向けた。皮の剥かれたミカンを受け取ってそれを口へ放る。そんな二人を見ながらロビンは思った。このくらいの仲にはなれるんじゃないの?と。



「………ゾロ」
「あァ?」
「決着をつけましょう」
「………はァ?」
意を決したはゾロに詰め寄る。あんたがいけないのよ、あんたの所為なんだから。
「な、何がだよ」
「バックレんな!よくもサンジくんとっ」
「あァ?」
自分がこんなマリモ男に負けたとは。情けなくて涙が出るぜ、こんちくしょう!くぅ、と涙目でゾロを睨みつけた。
「わけわかんねぇコト言ってんじゃねぇよ」
「うっせー!バカ!」
まるでガキじゃねぇか。そんなことを思ったゾロがふと目にする。悔しそうな面持ちでコチラを見ているサンジを。何なんだ一体。

「オイ、コック」
「えっ」
うちの船のコック、はサンジしかいないということは、もちろんにもわかった。振り向くとサンジ。
「………邪魔したな」
ゾロに向けての嫉妬の言葉。しかしは自分に向けられているものだと勘違い。
「あ、あの、ゴメ、ゴメンなさい、サンジくんっ」
「いや、いいんだ、ちゃん」
二人でゆっくり話してくれよ。そう苦笑うサンジにゾロの罵声が。
「テメェがどーとか言ってたぞ、この女」
「え、オレ?」
「…………あうっ」

もうこうなったら自棄だと。
はゾロに向き直り、ファイティングポーズ。

「諦めがつかないっ」
「え、ちゃん?」
「………お前なァ」
あれだろ?コイツが好きなんだろ?。ゾロが言えば、あぁそうさ、悪い?は言い返し、ゾロに人差し指を。

「あんたには負けないくらい好きなんですっ」

思考回路が停止したのは、サンジだけではない。

「…………ちょっと待て」
「…………え、あの、ちゃ……」
「そりゃあ二人がお互いに好きならしょーがないけどさ。でもあたしだって…」
「待てっつてんだろ」
ゾロはアホか、とため息をつき2人の間をすり抜ける。そして言った。
「オレと誰がだ。変な思い違いしてんじゃねぇよ」
「………はっ?」
「悪いがオレは男には興味ねぇぞ。……今は女にも興味ねぇけどな」
そう言い残してその場を後にする。
「………アレ?」
「あ、あれって……、ちゃん」
「………えーと……」
「さっきの、本当?」
「……な、何が………」
言い終わる前に長い腕に包まれていた。
「………煙草、吸っていい?」
そう言えば最近忘れてた。イライラすれば吸ってたのに。余裕がなさすぎたと笑うサンジの腕の中。はどうぞと呟いた。



「テメェか」
「あら、何が?」
「アイツらで遊ぶのは構わねぇがよ」
オレまで巻き込むなよな。ゾロの言葉にロビンは笑う。

「ゴメンなさいね、剣士さん」

 

 


カウント32223
02/10/29  ×